ふるさと納税でワンストップ特例制度を活用したいと思っているものの、制度の特徴や仕組み、注意点、申請方法などがよくわからなくて困っていませんか?
2015年4月からワンストップ特例制度が導入されたおかげで、ふるさと納税は非常に使いやすくなりました。
特に会社員(サラリーマン)や公務員、契約社員、アルバイト・パートの方にとってはめちゃくちゃ便利ですよね♪
ただ、ワンストップ特例は実は使えない人がいるなど注意点もいくつかあるので、今回はあなたがワンストップ特例で簡単に税金控除ができるよう詳しく紹介しました。
ぜひワンストップ特例を活用して、楽しくふるさと納税を行なってくださいね^^
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ワンストップ特例制度の仕組みや特徴、注意点を確認しよう
ワンストップ特例制度とは、確定申告をせずにふるさと納税が利用できて、しかも簡単に税金控除まで受けることができる制度のことです。
仕組みとしては以下のような感じです。
(参考:さとふる)
普通は寄附金控除を受ける場合は自分で確定申告をしないといけません。赤十字社などの団体に寄付をして所得控除を受ける場合などはそうですね。
ただふるさと納税に限っては、ワンストップ特例制度を使うと寄付した地方自治体が「この人うちにふるさと納税使いましたよ〜!」とあなたが現在住んでいる市区町村に報告してくれます。
それを受けた市区町村が、あなたが翌年納める分の住民税からふるさと納税で控除になる金額を減額してくれるわけですね。
要するに『ワンストップ特例制度を使えば確定申告不要で寄付金控除される』ということだけ覚えておけば大丈夫です(* ̄ー ̄)v笑
ワンストップ特例制度の特徴:利用できる人の条件はこの2つ!
- 寄付した年の確定申告が必要ない人
- ふるさと納税で1年間で使った自治体が5団体までの人
少し文面だとわかりづらい人もいると思いますので、以下でそれぞれわかりやすく解説します^^
1.寄付した年の確定申告が必要ない人
要するに確定申告義務がある人はワンストップ特例制度は使えません。
逆に確定申告義務がある人がワンストップ特例制度を使ってふるさと納税の税金控除申請をしても、税金は返ってこないため“ただの寄付”となって損になります。
ですので、まずはあなたがワンストップ特例制度を活用できる人なのかを確認しておきましょう!
確定申告不要(ワンストップ適用) | 確定申告が必要な人 |
給与所得者(会社員・公務員etc) | 自営業・個人事業主 |
年収2,000万円以下 |
給料で年収2,000万円以上
|
1ヶ所しか収入がない |
2ヶ所以上の給料がある
|
寄付した自治体が5団体以下 |
寄付した自治体が6団体以上
|
ワンストップ特例を活用した |
ワンストップ特例の期限(1/10)に間に合わなかった
|
特に控除申請がない |
医療費控除を申請する
|
副業で年間20万円以下の所得 |
住宅ローン控除を申請する
|
株や不動産収入がある人
|
|
副業で年20万以上の所得
|
2.ふるさと納税で1年間で使った自治体が5団体までの人
ワンストップ特例制度は1年間に自治体5団体以内だったら何回申し込んでも活用することができます。
例え10回以上寄付をしてたくさんの特産品をもらったとしても、寄付先の自治体が5ヶ所以内であれば確定申告は不要です。
ただ、6ヶ所以上の自治体に寄付をした人は利用できなくなり※、確定申告をしないと税金控除がされない仕組みになっています。
たくさんの返礼品を少しずつ楽しみたい人は注意しましょう!
ワンストップ特例制度のデメリットは申請書の郵送!数が増えると大変かも・・
ワンストップ特例制度は確定申告がいらなくなるので一見楽なのですが、実は大きなデメリットもあります。
というのも、ふるさと納税をする度に毎回(!)ワンストップ特例の申請書と本人確認の書類を自治体に郵送しなければならないのです。
必要書類を準備したり、申請書の記入〜郵送をするのは結構面倒臭いのですが、それを毎回するとなるとかなりの手間なので大きなデメリットかもしれません^^;
例えば長崎県島原市(僕が実際に2015年にした自治体です 笑)に寄付した場合、島原市宛に申請書と身分証明書類を郵送しますよね。
で、数ヶ月後にまた島原市に寄付した場合、もう1回書類を送付する必要がある、ということです。同じ自治体でも寄付した回数分郵送してください。
この辺を考えると、実はたくさんの自治体や返礼品に申し込む人はワンストップ特例制度よりも確定申告をした方が手間もかからず簡単かもしれません。
ワンストップ特例制度と確定申告との違い
ワンストップ特例 | 確定申告 | |
対象者 | 確定申告不要な人のみ | 全員提出可能 |
提出書類 | ワンストップ特例申請書 身分証明書類 |
確定申告書
寄附金受領証明書 |
提出方法 | 自治体へ郵送 |
税務署へ直接 or 郵送
|
提出回数 | 毎回 | 1回のみ |
提出期限 | 翌年1月10日必着 | 翌年3月15日 |
自治体数 | 5団体まで | 無制限 |
税金の戻り方(控除) | 100%住民税控除(減額) |
10%が所得税還付
90%が住民税控除 |
上比較図はワンストップ特例制度と確定申告の違いをまとめたものです。
それぞれメリット・デメリットがあり、面倒くささも人によって違うので一概には言えませんが、確定申告に苦手意識があったり不慣れな人は基本的にワンストップ特例を利用するのが良いと思います。
注意点としては先ほど紹介した『5つの自治体まで』ということ、そして提出締切期限が翌年1月10日必着ということです。
ふるさと納税は年末調整や源泉徴収票をもらってから駆け込みで申し込むことが多いため、年末ギリギリに寄付をする人は翌年1月10日必着の期限に間に合うようにしてください。
もし1月10日を超えてしまった場合は確定申告書を作成し、提出しないとふるさと納税の税金控除が受けられないので注意してくださいね!
ワンストップ特例制度と確定申告を両方したらこうなる!
ワンストップ特例制度を提出した後に医療費控除や住宅ローン控除等を申請するために確定申告が必要になることもありますよね。
その場合、先に郵送したワンストップ特例の申請書はどうなるかというと、結論からお伝えすると
確定申告が優先されます( ̄∀ ̄)v
というわけで、ワンストップ特例制度と確定申告書を両方提出したら確定申告の方が反映されるため、寄附金控除以外に所得控除がある人は安心して確定申告してください。
ワンストップ特例の取消申請などは特にいらない!
「確定申告するなら取消した方がいいのかな?」
「重複したら控除されないんじゃないか?」
真面目な方はそんな風に考えてしまうかもしれませんが、ワンストップ特例制度はあくまでも「特例」で、確定申告の方がベースです。
両方提出した場合は税務署が勝手に確定申告の方を優先させるので、確定申告をしっかり作成する事に集中しちゃってください♪
また、既に提出してしまったワンストップ特例用の書類(申告特例申請書)については特に取消申請などは不要のようですので、放置でいいということになります。取消用の書類・申請書も不要です。
確定申告をする場合は寄付金受領証明書は提出必須!
ワンストップ特例制度では必要なかった寄付金受領証明書は、確定申告では必須の提出書類となります。忘れずに税務署に添付するようにしましょう!
寄付金受領証明書は寄付金を申し込んだ後に地方自治体から郵送で送られてきます。僕は今まで3回中3回とも1〜2週間程度で証明書は届きました。そしてその後に特産品が届く、という流れでした。
ただ、地方自治体によっては寄付金受領証明書の発送が遅いこともあり、1〜2ヶ月経ってから届くこともあるようです。
ふるさと納税をした時期にもよりますが、1月末までに届いていない場合は地方自治体に問い合わせてみましょう!
じゃないとこちらの確定申告が間に合わなくなる可能性がありますからね^^;
もし確定申告でふるさと納税分記帳し忘れたらどうなる?
この記事をご覧いただいたあなたはもう忘れることはないと思いますが、もし万が一、確定申告でふるさと納税の分を記帳し忘れてしまった場合、当然寄附金控除はなかったこととなります。
つまり、ふるさと納税に寄付した分は全額自腹で寄付したことに!
まあ返礼品ももらっているし、そもそもふるさと納税は寄付=社会貢献なので良いことをしているわけですが、お得に寄付をする、という点では損をしたことになりますよね^^;
ふるさと納税の確定申告は全然難しくないので、忘れずに申請しましょう(* ̄ー ̄)v
ワンストップ特例はマイナンバーが必須に!必要書類も合わせてチェック
ワンストップ特例制度は2016年からマイナンバー(個人番号)の記入とマイナンバー関連書類(なりすまし防止)コピーの郵送が必須になっています。
まず最初にワンストップ特例制度に必要な書類を確認しておきましょう。
必ず郵送する「寄附金全額控除に係る申告特例申請書」に加えて、一緒に郵送しないといけない必要書類は下の3パターンに場合分けされます。
「個人番号カード」を持っている人 | 「通知カード」を持っている人 |
「個人番号カード」「通知カード」両方持っていない人
|
|
個人番号確認の書類 (マイナンバー) |
個人番号カードの裏コピー | 通知カードのコピー |
個人番号が載っている住民票の写し
|
本人確認の書類 (身分証明書等) |
個人番号カードの面コピー | 下記いずれかの身分証のコピー ・運転免許証 ・運転経歴証明書 ・旅券(パスポート) ・身体障害者手帳 ・精神障害者保健福祉手帳 ・療育手帳 ・在留カード ・特別永住者証明書 ※写真が表示され、氏名、生年月日または住所が確認できるようにコピーする。 |
下記いずれかの身分証のコピー
・運転免許証 ・運転経歴証明書 ・旅券(パスポート) ・身体障害者手帳 ・精神障害者保健福祉手帳 ・療育手帳 ・在留カード ・特別永住者証明書 ※写真が表示され、氏名、生年月日または住所が確認できるようにコピーする。 |
もう少しまとめると以下のような感じ。
- マイナンバーカードを持っている人=マイナンバーカードの裏表コピーだけ
- 通知カードを持っている人=「通知カードのコピー」と「身分証のコピー」
- マイナンバーカードも通知カードも持ってない人=「マイナンバーが記載された住民票の写し」と「身分証のコピー」
マイナンバーカードは作成しておけばワンストップ特例の申請が楽に!
2016年からマイナンバー制度が導入されたことで、ふるさと納税もなりすまし防止対策で「マイナンバーを確認の書類」と「身分証明の書類(本人確認できる書類)」の提出が義務化されてしまいました。
これでワンストップ特例制度の面倒臭さはだいぶ増したと思います^^;(苦笑)
ただ、マイナンバーカードを持っていれば万事オッケーです(* ̄ー ̄)v
なぜなら、マイナンバーカードは表面に住所が記載されているため、「マイナンバー確認書類」と「本人確認できる書類」の両方を満たすことができるから。
マイナンバーカードの表面と裏面をコピーして、特例申請書と一緒に寄附した自治体に郵送すれば、ワンストップ特例制度が活用できたこととなり、確定申告の必要はなくなります。
毎度用意するのは面倒臭いので1度に何枚かコピーしておこう!
ふるさと納税を活用する場合、恐らく複数の団体に寄附すると思います。年収600万円の人なら約6万円程度のふるさと納税ができますから、2万円×3団体などに分けて寄附する人も多いでしょう。
僕も複数団体派ですが、普段はあまり購入する機会のない各地の特産品をちょこちょこ楽しむのもふるさと納税の醍醐味ですしね^^
となると、ワンストップ特例制度を何度も活用する可能性が高いわけですから、マイナンバーカードをコピーする時は裏表3〜4枚ずつまとめてコピーしちゃった方が効率が良いです。
毎回ちょこちょこコピーしに行くのは面倒臭いし、別に100円程度の出費なので最悪使わなくても痛くない出費ですからね。
いざ実践!ワンストップ特例の申請書を提出しよう!入手〜記入方法、郵送までの流れ
1.申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)の入手方法・ダウンロード先
ワンストップ特例制度で提出する書類(正式名称:寄附金税額控除に係る申告特例申請書)は総務省の以下のページから入手することができます。
↓↓↓
http://www.soumu.go.jp/main_content/000351462.pdf
PDF形式になっているので、「印刷」を選んでダウンロードするか、右クリックして「別名で保存」をすればダウンロードすることができます^^
こちらの書類は寄附をする度に毎回郵送する必要があるので、上記のURLページをお気に入りに入れておくか、ダウンロードしたファイルを保存しておくと便利です。
2.特例申請書の書き方−記入例
(出典:ふるさとチョイス)
上図はふるさとチョイスで紹介されていた記入例になります。申請書を見てもらえばわかる通り、どこもわかりづらいところはありません。
2016年から「個人番号=マイナンバー」を記入する欄が増えたことと、捺印を忘れないようにしましょう、くらいかな?
ただ、よくわからないとしたら①と②のチェックを入れる部分だと思うので、ここだけ一応補足説明しておきます。
①地方税法附則第7条第1項(第8項)に規定する申告特例対象寄附者である
これは「確定申告する必要がない人」ということです。サラリーマンや契約社員、パートなどの方が含まれます。
※業務委託契約の方は自分で確定申告する必要があるので注意してくださいね!(念のため書いておきます)
②地方税法附則第7条第2項(第9項)に規定する要件に該当する者である
これは「寄附する地方自治体の数が5以下の人」ということです。『ワンストップ特例制度の仕組みや注意点(上に戻ります)』でも紹介した通りの利用条件なので、ここも大丈夫だと思います^^
3.郵送方法と同封する必要書類
先ほど『ワンストップ特例はマイナンバーが必須に!必要書類も合わせてチェック』のところでも紹介した必要書類を用意して、申請書と一緒に封筒に同封しましょう。
3パターンどれでも税金控除はされますが、今後のことも考えるとマイナンバーカードを作っておいた方が便利かもしれませんね。
また、封筒は寄附した地方自治体から送られてくる場合もありますが、同封されていない場合は自分で封筒を用意して、宛名を調べて記入します。
年末直前に寄付をした人は翌年1月10日までにワンストップ特例用の封筒が届かないため、自分で用意してさっさと送ってしまいましょう!
ワンストップ特例制度を使った後に引っ越し・住所変更をしたらどうすればいい?
ふるさと納税では翌年1月1日時点で住んでいる住所(住民票の所在地)で申請する必要があります。
ですので、翌年1月1日以降に結婚や転勤などで引っ越し(住所変更)をした場合はワンストップ特例制度を使って申請をした後でも特に何かする必要はありません。
普通に確定申告不要で税金控除が受けられますのでご安心ください^^
ただし、翌年1月1日までに引っ越し(住所変更)をした場合は住所変更の申請をしないといけなくなります。
【手続き方法】氏名や住所変更の書類を追加で郵送しよう!
氏名や住所を変更する場合は『寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書』という書類を自治体に提出しないといけません。
これを忘れてしまうとワンストップ特例制度の効力がなくなり、確定申告をしないと税金が安くならなくなってしまいます。
引っ越したり住所変更した場合は必ずこの書類を郵送するようにしましょう!
まとめ:
今回はふるさと納税で確定申告が不要になる制度、ワンストップ特例制度について詳しく紹介しました。
確定申告をする必要がないサラリーマンや公務員の方でも簡単に税金をお得にすることができるので、サクッと簡単にふるさと納税を活用したい人にはぴったりですよね。
提出書類を用意したり、寄付するたびに毎回郵送しないといけないのは若干面倒くさいですが、それでも確定申告に不慣れな人にとってはありがたい仕組みです。
是非ワンストップ特例を活用して楽しくふるさと納税を活用してみてくださいね(* ̄ー ̄)v
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